こんにちは、とーくん(@token_at)です。
この記事では、
ファンを増やしたいから、くすっと笑ってもらえるような面白い文章を書けるようになりたいな・・・
と堅苦しい文章しか書けないからファンが生まれないんじゃないかと思っている方への処方箋をお届けしたい。
最初に断っておきたいが、どんなに堅苦しい文章であろうとも、読者に何かしらの価値を提供ができていればファンはできる。
「面白い」という価値。
「ライティングのノウハウ」という価値。
「悩みを解決する」という価値。
要は内容に価値を感じてもらえれば、文章が面白くなくてもファンは少なからずできるので悲観する必要はない。
ただ、今回は、どうしても印象に残るような面白い文章を書きたい!という方のための記事を書いてみた。
ここから本題に入っていくわけだが、話をすすめる前に、もう一つ、お断りをしておきたい。
おそらくあなたよりお硬い文章しか、私は書けない。
なので、最近、私が「この人の文章、本当に面白いな」と思った岸田奈美さんの文章を分析するというアプローチで記事をお届けする。
あなたよりお硬い文章しかかけない私なりに、クソ真面目に岸田奈美さんのオモシロ文章を分析。
1記事でも多く、1行でも多く、1文字でも多く、ブログ記事を読んでもらいたいと考えているブロガーのためにオモシロ文章を書く秘訣をまとめてみようと思う。
岸田奈美さんには承諾いただいてない内容ですから、その点はご了承の上、読み進めていただきたい。
岸田奈美さんについて
岸田奈美さんは主にご家族をテーマにしたエッセイがメインの作家さん。
ご存知ない方は、ぜひ岸田奈美さんのnoteか書籍を読んでもらいたい。
岸田奈美さんのnote → https://note.kishidanami.com/
岸田奈美さんのデビュー作 → 家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
笑いあり、涙ありのエッセイは、本当に神がかっていると思う。
本を読んで、あんなに爆笑している妻を見たのは初めてかもしれない。
セールスライティングとはもちろん違う・・・でも
岸田奈美さんの文章は読み物としての文章だ。
なので、直接的に商品を紹介したり、販売したりする、いわゆるビジネス系のセールスライティングとは違う。
ただ、SNS全盛の今、ブログの文章、Twitterのツイート、インスタの文章など、直接セールスせず、「ファン化」を目的とする文章を書くことは多い。
岸田奈美さんはnoteの文章がバズったのが作家になったきっかけのようだ。
金額こそ明記されてはいないが、noteの投げ銭で資金ができたとエッセイにも書かれている。
つまり、読み物として書いた文章で、読者の心をぐっと掴んで、読者をごっそり動かしているわけで、私達、草の根のいちブロガーとしては盗める技術は盗みたい。
吹き出しリスクが高く電車では読めない面白さの秘訣
電車な中で一話か二話程度、彼女のエッセイを読んだことがあるが、普段、寡黙でクールな男で通っている私ですら、ニヤニヤして、本当に吹き出しそうになって、これはまずいとすぐに読むのを辞めた。
そのくらいオモシロい文章を書く岸田奈美さん。その秘訣を私なりに3つにまとめてみた。
オモシロ文章の秘訣1:比喩表現がぶっ飛び超冗長(でも、なんか伝わってくる)
ご本人のプロフィールがこれを端的に表している。
100文字で済むことを2000文字で伝える作家
岸田奈美さんのプロフィール文より
さすが。プロフィールにもひねりが効いている。(ちなみに、同じ神戸市出身というところに親近感も覚えた。やっぱりプロフィール大事。)
もちろん、小学生が読書感想文や作文の宿題で、カギカッコが行頭に来るように調整したり、やたら段落分けしたりするセコい技で行数を増やしているわけではなく、彼女の文章はガチで文字数の多い超冗長な文章である。
実際に私の印象に残った一節を引用させていただこう。
そんな折、さらなる「渡りに船」の情報を入手した。どれくらいの船かというと、プール・カジノ付きの20階建て豪華客船レベルだった。「渡りに豪華客船」といっても過言ではない。
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった P171より
この文章、私が書いたとしたらせいぜい、「めちゃくちゃ良い情報を入手した。」とか、「ガチで良い情報を入手した。」とか、せいぜい15文字程度で終わる。これが、岸田奈美さんが書くと84文字。5〜6倍程度の文字数になるわけだ。
この装飾のおかげで、15文字の情報量は変わらないが、オモシロさは100倍くらいになって、印象に残る度合いも100倍くらいになっているわけである。
単に「怖い」と書くのではなく、「江頭2:50が目の前に100人現れたくらい怖い」とか大げさに表現する。(私なりに頑張ってみた)
これが秘訣として盗めるポイントだと思う。
オモシロ文章の秘訣2:言葉の選び方がオモシロい(だからジワッとくる)
私が考える秘訣2つ目に行きたい。
さっそく、私が印象にのこった文章を引用させていただこう。
「ありがてえ」と「おっかねえ」の感情が、ハーフ&ハーフだった。
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった P64より
これ、私が書くとこうなる。
「感謝と恐怖の感情が半々だった。」(15文字)
「感謝と恐怖の感情が入り混じっていた。」(18文字)
40代で一番上の子どもが大学生の私にはできない、言葉の選び方だ。
あまりに私との才能の違いに、「センスが違う」と一言で片付けてしまいたいところだが、分析すると言った以上、「技術」としてどう盗むのか考えてみた。
彼女の書いた文章と私の書いた文章を比較したところ、思いついたのは漢字だ。
堅苦しい文章をやわらかいオモシロ文章に変換するためには、適度に漢字を減らさないといけない。これはよく言われていることだ。
でも、「感謝」を「かんしゃ」と書いたら読みにくいだけだ。だから違う言葉を選ぶ必要があるだろう。
じゃあ、どんな言葉がいいのか?
岸田奈美さんが選んだのは「ありがてえ」だ。
ここで思いつく言葉にセンスが問われてしまうことは否定できない。
だが、言葉を置き換えてみようとチャレンジすることは、すくなくとも誰でもできる。
漢字を減らす→別のひらがな or カタカナの言葉に置き換える
これはオモシロ文章を書く秘訣として覚えていてもよいのではないだろうか。
オモシロ文章の秘訣3:変化球のポジティブ変換(そんな風に表現しちゃうの?)
3つ目の秘訣に行きたい。
3つ目は悲しいこと、残念だったことの、ポジティブ変換がかなり変化球であることだ。
さっそく一節を引用させていただこう。
入居に必須の保証会社の審査に落ちまくった。
審査に一発芸があるのならば、通過する自信があったのだが、残念ながらそんなルートはなかった。ちくしょう。
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった P187より
こちらも私が書くと、こうなる。
「入居に必須の保証会社の審査に落ちまくった。残念。」
これだけで内容は理解できるが、そりゃ面白くないわね。
信用がないことを、自虐的にオモシロく書いている文章なのだが、
「一発芸があるのならば、通過する自信があった」
という意味はわからないけどポジティブな文章を織り交ぜてまとめている。ニヤッとしちゃうよね。
マイナスな文章ばかりが続くと面白くないが、ポジティブな要素を入れてみようか、と一呼吸おいて考えてみる。これが秘訣として盗めるところかもしれない。
最後まで読ませる秘訣:流れるように感情を上下に揺さぶる
オモシロ文章の秘訣ではないが、最後にブロガーとして学びたい文章を「最後まで読ませる秘訣」を書いてみたい。
彼女のエッセイは、ただただ、オモシロ文章というわけではない。
亡くなった父親のこと。車椅子の母親のこと。ダウン症の弟のこと。
ご家族をテーマに、結構しんみりしたお話もエッセイには書かれてある。
ご家庭の状況だけみても、相当なご苦労を重ねてきていることは間違いない。
ちなみに、私は普段そういうお話は積極的に読むことはない。クールなふりをしていたいからだ。
でも、彼女のエッセイは読んでしまった。
なぜか。
オモシロ文章に気をとられていると、気がつけばしんみりする話に流れるように入っているからだ。
東京ディズニーランドの「イッツ・ア・スモールワールド」のように、川の流れに身を任せていたら、気がつけば話がいつの間にか展開し、しんみりしたお話に突入しているのだ。
実は私が読む前に妻がAmazonから届いた本を先に手にし、読みだした。そして、爆笑。
あまりに爆笑しているので、この本を読む妻の顔をプログラミングしながらしばらく眺めていた。
すると、爆笑しニヤニヤした表情から、急に真面目な表情になったり、また、ニヤっとしたり、感情が上下に振られまくっていることがわかった。
感情の起伏はジェットコースターのようなイメージだろうか。
緩急が見事すぎて、気がついたら最後まで読んでしまっているのだ。
「緩急」「ギャップ」「振り幅」で読者を飽きさせず、最後まで文章を読ませる。
これを技術として盗んだり、応用したりするのは、実際のところ難しいかもしれない。
ただ、「緩急」「ギャップ」「振り幅」というキーワードとしては我々草の根いちブロガーとしても意識できるのではないだろうか。
まとめ
オモシロ文章を書く秘訣、いかがだっただろうか?
一つでもあなたの参考になれば私も土曜日に数時間かけて書いた甲斐がある。
なお、冒頭の繰り返しになるが、「オモシロ文章が書けない」=「ファンができない」という等式は成立しない。
「ファンができない」の理由はたった一つ。読者に価値が提供できていないのだ。
面白くないから読まないわけではなく、読む価値がないから読まれないのだ。
だからこそ、ブログ記事を書くときは次の優先順位を意識したい。
1.価値ある内容を詰め込むこと
2.最後まで読まれる文章に仕上げること
要はリライトするときに、今回挙げた秘訣をちょっと頭の片隅においておくと印象に残る文章がかけるかもしれないということだ。
ここまでで約4000文字強の文章になった。
岸田奈美さんがこの記事をリライトすれば、多分、20000文字を超えるじゃないかと妄想しながら、終わりたいと思う。
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